重症心身障害医療

重症心身障害とは

 重症心身障害とは「重度の肢体不自由と重度の知的障害を併せ持った状態」のことであり、その原因には低酸素症・仮死・髄膜炎・脳炎後遺症・低出生体重児・てんかん後遺症・染色体異常・原発性小頭症・狭頭症・水頭症など、様々な疾患があります。このように、「重症心身障害」という用語は医学的病名というよりはむしろ行政的用語と言えます。   

診療方針

医療には救命救急や臓器移植のような「治す医療」もある一方で、緩和ケアや在宅での看取りのような「支える医療」もあります。当院の重症心身障害病棟で行っているのはまさに「患者さんや家族を支える医療」であり、それは「いのちを守ること」と「心を育て、生活・人生の質を高めること」から成り立っています。「いのちを守る」とは、呼吸・循環などの障害をできるだけ取り除き、摂食や排泄を助けて感染予防などを行うことです。
一方、「心を育て、生活・人生の質を高める」とは、生活のリズムを整えて対人関係を保ち、社会性を身につけコミュニケーション機能を高めることなどです。

栃木県内の重症心身障害施設

栃木県内には、入院機能を持つ重症心身障害施設が当院を含めて4か所あります(あしかがの森足利病院、星風会病院星風院、なす療育園、国立病院機構宇都宮病院)。私たち4施設は、重症心身障害医療に関わる入所施設や通所施設、行政機関、周産期医療を行う病院など関係者や関係機関のネットワークを構築・強化するとともに、人材育成や情報発信などを目的に「栃木県重症心身障害連絡協議会」を発足しました。平成24年度には4施設の実態調査を行いましたので、その一部を参照ください。(栃木県重症心身障害4施設の現状)

また、初期臨床研修医を対象に「重症心身障害医療の臨床研修プログラム」も作成して、将来の障害者医療を担う医療人の育成に努めています。
第1回重症心身障害連絡協議会ネットワーク講演会(平成25年3月9日)
第2回重症心身障害連絡協議会ネットワーク講演会(平成25年11月21日)
第3回重症心身障害連絡協議会ネットワーク講演会(平成26年3月8日)
栃木県重症心身障害連絡協議会及び重症心身障害ネットワーク
栃木県重症心身障害児 (者)地域資源アンケート(2015年12月調査)
栃木県重症心身障害 児(者)地域資源エリアマップ&一覧表(2015年12月調査)


重症心身障害病棟

重症心身障害病棟のご紹介

医療法に基づく病院の機能と、児童福祉法と障害者総合支援法に基づく施設の機能を併せ持つ病棟です。当院には重症心身障害病棟が2病棟あり、医療法上100床の定員で運営しており、18歳未満の方は「医療型障害児入所支援」、18歳以上の方は「療養介護」で県や市町村から事業指定を受けています。入院している利用者の原因疾患は脳性麻痺や精神発達遅滞、無酸素性脳症後遺症などさまざまで、年齢も小児から60歳以上にわたっております。医療スタッフである医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士だけでなく、ソーシャルワーカー・児童指導員・保育士・療養介助員・業務技術員など多職種のスタッフが連携し、より良い療養生活の提供できるよう、日常生活全般にわたる支援を行っています。また、就学生には県立岡本特別支援学校の教師が関わっています。

病棟の特長について

利用者の入院生活は10年以上の方がほとんどで、病院が生活の場となっています。座位をとることが難しく寝たきりで、変形・拘縮がある利用者さんが多く、日常生活は全面介助を要し、言語的コミュニケーションが図れる利用者さんは数名のみです。そのため、非言語コミュニケーションとして、利用者さんの仕草や表情などから思いを受けとめて支援しています。

家族控室

重症心身障害病棟には2部屋の家族控室があります。ご家族が面会で来棟された時の休憩や利用者とご家族のふれあいで宿泊もできます。部屋は10畳程のフローリングにベッド、バストイレ、テレビ、冷蔵庫などが完備しており、家庭的な雰囲気で過ごせます。

 

長期入院について

18歳未満の方は管轄の児童相談所・18歳以上の方はお住まいの市町村役場(福祉課等の担当課)へお問い合わせください。

児童相談所・市町村役場で障害児入所受給者証や障害福祉サービス受給者証の支給申請を行い、受給者証が発行された後、重症心身障害施設(当病院)と直接契約を結んでいただき、入院となります。詳細については、当院のケースワーカーまでご連絡ください。

短期入所(ショートステイ・日中一時預り)について

在宅で生活されている重症心身障害児(者)のご家族の支援を目的としています。冠婚葬祭、「介護の疲れを癒す旅行等で介護できない時」に利用ができます。

短期入所(ショートステイ・一時預り)を希望される方は、お住まいの市町村で、短期入所の日中一時預りの支給決定を受けてください。その後に重症心身障害施設(当病院)と直接契約を結び利用できます。

また、お子さんとのふれあいや遊ばせ方、療育相談も受付しておりますので、療育指導室(療育指導室長または主任保育士)までご連絡ください。

医療について

重症心身障害児(者)は重い障害を重複しており、障害児の中でもとりわけ医療ニーズが高いといえます。痙攣発作、呼吸管理、発熱、嘔吐、強い筋緊張などの治療に加え、虚弱体質の改善・健康増進・栄養改善・リハビリなど、家庭ではなかなか対応できにくい部分に取り組んでいます。

療育について

心身に障害のある利用者に対し、医療や教育が一体となって障害の克服を目指しつつ、生きる力を育て、人としての全面的な発達を促していく組織化された総合的有機的な活動です。

病棟の日課について

5:00 おむつ交換 12:00 おむつ交換
6:00 起床・洗面・排泄 13:30 療育活動・学校
7:00 朝食 14:30 おむつ交換・訓練
9:00 おむつ交換・検温・処置
療育活動・学校・訓練
16:30 夕食・歯磨き・排泄
17:30 おむつ交換
11:15 昼食・歯磨き・排泄 20:00 消灯

学校教育について

学齢期の利用者さんは、隣接する栃木県立岡本特別支援学校(小学部・中学部・高等部)へ通学しています。
当院とは渡り廊下でつながっているので、体調の良い時は通学しています。
障害児の体調が良くないときや重症の利用者さんの場合には、特別支援学校の先生方が病棟へ出向いて授業をしています。
当院の院内学級には「やしお学級」という名称がついています。

ボランティアについて

宇都宮病院では、重症心身障害病棟をはじめ様々な病棟でボランティア募集をしています。ボランティア活動してくださる方は特別な資格等は必要ありません。活動内容や回数等無理がない範囲で活動いただけます。自分から積極的に活動したい方や病院を応援したい方は大歓迎ですので、是非ご連絡をお願いします。

受付窓口(管理課長、療育指導室ボランティア担当)

療育指導室

重症心身障害医療では、医療職を始め、福祉職(児童指導員、保育士)も関わっておりますので、

詳細については療育指導室のご案内をご覧ください。